FIRE達成シミュレーター

FIRE(Financial Independence, Retire Early)とは、生活費を投資収益でまかなえる状態を目指す考え方です。このシミュレーターでは、目標となる年間生活費や毎月の積立額、期待利回りをもとに、FIRE達成に必要な資産と目安期間を算出します。

シミュレーターの使い方

  1. 現在保有しているFIRE用の資産残高(現金・投資信託・株式など)を「現在の保有資産」に入力します。
  2. 毎月いくら投資へ振り向けられるかを「毎月の積立額」に設定します。ボーナスなど年に数回の入金がある場合は、12で割って月額に換算すると比較しやすくなります。
  3. 長期運用で期待する年率リターンを「期待利回り」に入力します。インデックス投資を想定するなら3〜6%が一般的な想定レンジです。
  4. FIRE後に必要な生活費の総額を「年間生活費」に入力します。社会保険料や税金、教育費なども漏れなく含めましょう。
  5. 「安全利回り」は年間生活費を資産から取り崩す割合(引き出し率)です。4%ルールを使う場合は4を、より保守的に見積もるなら3〜3.5を入力します。
  6. 任意で現在年齢を入れると、FIRE達成年齢の目安も表示されます。全ての項目を埋めたら「シミュレーションする」を押してください。

計算結果では、必要資産額・到達までの年数・積立元本と運用益の内訳に加えて、年次の資産推移を確認できます。条件を変えながら複数パターンを比較し、現実的なプランを探ってみましょう。

必要項目を入力して「シミュレーションする」を押すと結果が表示されます。
現在の年齢(任意)
現在の保有資産(円)
毎月の積立額(円)
期待利回り(年率%)
年間生活費(円)
安全利回り(%)

※安全利回りは年間生活費を賄うために引き出す割合です(例: 4%ルール)。

必要資産額の計算ルール

必要資産額は「年間生活費 ÷ (安全利回り ÷ 100)」で算出しています。たとえば年間生活費が300万円、安全利回りを4%とすると 300万円 ÷ 0.04 = 7,500万円 が目標です。安全利回りを3.5%まで下げれば目標資産は約8,571万円と増加し、引き出しを保守的にするほど必要金額が大きくなることが分かります。

安全利回りはポートフォリオから年間で取り崩す割合を指し、株式比率が高いほど変動リスクに耐えるための現金クッションや支出調整余地が重要になります。想定インフレ率が高い、または下落相場に備えたい場合は安全利回りを低めに設定し、複数パターンの試算結果を比較してください。

入力パラメーターの考え方

  • 期待利回りはインデックス投資なら年3〜6%が現実的なレンジ。ハイリスク資産を想定する場合はマイナス局面も想定しましょう。
  • 安全利回り(Withdrawal Rate)は4%ルールが目安ですが、インフレが高止まりする局面では3.5%以下に変更するケースもあります。
  • 年間生活費は住宅費・教育費・税金・社会保険料を含めた実際のアウトフローを入力すると精度が高まります。
  • 現在年齢を入力すると達成年齢の目安が表示されます。ライフイベントや子育て・介護などのライフイベントと照らし合わせ、現実的なスケジュールに落とし込んでください。

FIREの基本と4%ルール

FIRE(Financial Independence, Retire Early)は投資収益だけで生活コストを賄い、早期リタイアを狙うライフプランです。代表的な4%ルールでは、年間生活費の25倍の資産を保有できれば理論上は資産を枯渇させずに生活できるとされます。

ただし、為替や株式市場の変動が大きい年は取り崩し率を調整しないと想定より早く資産が減少するリスクがあります。シミュレーターで安全利回りを複数パターン試し、生活コストの見直しも同時に検討しましょう。

シミュレーション例

例:初期資産300万円、月5万円を年5%で積み立て、年間生活費300万円・安全利回り4%の場合、約18年で必要資産7,500万円に到達し、達成年齢目安は現在35歳なら53歳です。月7万円に増額すると達成期間は約15年まで短縮できます。

手元の資金を複利で育てる過程で、複利計算シミュレーター配当シミュレーターを組み合わせると、取り崩しフェーズの収入源も確認できます。

FIRE達成に向けたチェックリスト

  • 年間支出を3段階(必須・変動・趣味)に分け、景気後退時に削減できるコストを把握する。
  • インフレ率を年2%と仮定し、生活費が増えるケースでもシミュレーションを再実行する。
  • 投資アセット(株式・債券・不動産・現金)のリバランス計画と非常時のキャッシュ比率を決めておく。
  • FIRE後も副業や配当などのキャッシュフローがある場合は、積立額や安全利回りを再設定し過度な取り崩しを避ける。

よくある質問

Q. シミュレーションで到達できないと表示された場合は?

A. 月々の積立額を増やす、期待利回りを現実的に見直す、生活費を抑えたセミリタイア(Lean FIRE)を検討するなど、条件を変えて再計算してください。

Q. 退職後も働く場合の考え方は?

A. 副業収入や年金を年間生活費から差し引き、その差額のみを本シミュレーターに入力することでBarista FIREやCoast FIREのケースにも対応できます。

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